宝探しから10年、ロッキー山脈に隠した宝箱ついに発見される

「おれの財宝か？欲しけりゃくれてやるぜ・・・探してみろ、この世の全てをそこに置いてきた」

週刊少年ジャンプで連載されている人気マンガ「ワンピース」。海賊王ゴール・D・ロジャー（ゴールドロジャー）が死に際に放ったひと言が人々を海へ駆り立てた・・・

そんなマンガの世界のお話が現実世界にあり、さらに、その”財宝”が見つかったと報じられたのです。

まさに実写版「ワンピース」宝を求めてロッキー山脈へ

アメリカのロッキー山脈。そのとある場所に金塊や宝石などが詰まった宝箱を隠した ー

10年前、古美術商を営み大成功を収めた大富豪フォレスト・フェンさん（89歳）は2010年に出版した自伝「ザ・スリル・オブ・ザ・チェイス（追跡のスリル）」でそう明かしました。

そして、その自伝の中で宝箱の在り処のヒントとなる24行の詩を記しました。

このフォレスト・フェンさんの自伝により、これまで数多くの挑戦者がロッキー山脈に訪れ、宝探しが始まった2010年からの10年間で35万人とも50万人とも言われています。

気になる財宝の価値は少なくとも1億円にのぼり、宝箱を探すために職を捨てた人もいれば、探索中に命を落とす人も（少なくとも4人の死者がいると伝えられています）。

フォレスト・フェンさん、なぜ財宝を隠したのか？

元米国空軍少佐だったフォレスト・フェンさんは退役後、古美術商を営み財を成します。顧客にはレーガン元大統領やスティーブン・スピルバーグ監督がいたといいます。

財宝を隠すに至る大きなターニングポイントがフォレスト・フェンさんに起こります。それは1988年のときのこと。フォレスト・フェンさんはがんと診断されたのです。

死を覚悟したフォレスト・フェンさんは、財宝を箱に詰めてその宝箱とともに山中に埋まろうと決意しましたが、その後にがんを克服することになります。

そして、2010年に宝箱をロッキー山脈に隠し、在り処のヒントを記した自伝で公表することになったのです。

2015年、ロッキー山脈に宝箱を隠したフォレスト・フェンさん。財宝を隠した動機について次のように語っています。

「人々がソファから立ち上がり、太陽の下で新鮮な空気を吸ってもらいたいと思ってね」

財宝探しで自然を楽しんでほしいと挑戦者を募ったフォレスト・フェンさん。「ワンピース」ではゴール・D・ロジャーの言葉で人々は海へむかうことになりますが、フォレスト・フェンさんは人々を山へ駆り立てるのでした。

総額1億円超の財宝、匿名希望の男性が発見する

そして、2020年の6月7日。フォレスト・フェンさんは自身のホームページで隠した宝箱が発見されたと発表しました。

フォレスト・フェンさんの元に匿名希望の発見社から証拠の写真が送られてきたとのことです。

フォレスト・フェンさんのホームページには「それはロッキー山脈の豊かに生い茂った植物の中、満点の星の下にあり、私が10年前に隠した場所から動いてはいなかった。私の詩が彼をその場所に導いた」と記されています。

今回の発見について、フォレスト・フェンさんはこう話しています。

「宝物を見つけた男は名前を出したがらない。彼はアメリカ東部から来たんだ」「（自分の気持ちが）わからない。この”追跡”が終わってしまって、嬉しい気持ちが半分、悲しい気持ちが半分という感じだ」

財宝を隠してからの10年。命懸けだったのは挑戦者だけでなく、フォレスト・フェンさん自身もそうだったようで、自宅には「在り処を教えろ」と強盗が押し入ったり、財宝はでっち上げだ！と訴えられたこともあったようです。

宝物を見つけた男性が素性を明かさないのもわかる気がしますね。

さらに、この発見者がまた別の場所に宝箱を隠していたとしたら・・・眠る世界のお宝としてロマンを感じますね。

 -トレンド