いつかやろうはいつなのか?”読まなかった本”の話が考えさせられる
2015/02/24

いつもいつも同じように毎日はやってきます。まるで約束していたかのように。
でも、もしあと一年の命だとしたら、みなさんは今の生活を続けるでしょうか?
生活のため、将来のためとやってきたことが無意味になるかもしれない。
いつかやろう、いつかやろうと先延ばしにしていたことを今はじめるかもしれない。
2003年にフジテレビ系で放送された『僕の生きる道』というドラマがまさにそんな物語を描いています。
主人公は草彅剛さん演じる、進学校の高校教師である中村秀雄(28)です。
中村先生は学校で受けた健康診断の結果から再検査となり、余命一年と宣告されてしまいます。
友人もいなく、職場の人間にも、遠く離れて暮らす母親にもそのことを打ち明けられないでいる・・・
そんなドラマのなかで第2話で放送された「読まなかった本」という話が印象的でしたので紹介します。
あらすじ

偏差値よりも高い大学を目指す生徒と面談をする中村先生。
中村先生は、数学がネックで第一志望は難しいこと、そして志望校のレベルを下げるか、この一年頑張るしかない、と伝えます。

しかし、生徒は・・・
「そんなの無理です! あと一年しかないんですよ!」
そう言い放ち、うまい解決策もないまま面談は終わります。

学校が終わり、家に着くと刻一刻と迫るそのときに怯えるようになります。
実際になってみないとわかりませんが、時計の針の音も死へのカウントダウンの音に聞こえるのでしょう・・・

それからというもの、中村先生は自暴自棄の生活を繰り返すようになります。
飲み会代や食事代をおごったり、募金に札束を入れたり、高級クラブで豪遊したりと・・・

迫り来る死への恐怖に打ち勝つことができず、ついに主治医に「死にたい」と打ち明けます。
しかし、主治医は断固として断ります。

中村先生はとうとう自殺をはかります。
しかし、死ぬことができず、自殺未遂に終わります。中村先生が目を覚ますと病院のベットの上。

自分の命だ、死ぬことだってできる!そう主張する中村先生に主治医はー
君に自分で死ぬ権利はない。
僕の患者には残り1ヶ月だけでも生きたいと思っている人がいる。
僕には君の残りの人生を支える義務がある。
そう伝えると、中村先生は落ち着きを取り戻します。

中村先生が歩いていると、目の前にー

新たに生まれてくる命。
生と死、人間が一生をかけて解いていくであろう難題を中村先生は身をもって感じるのです。

「母さん、僕が生まれたとき、どう思った?」
中村先生は院内の公衆電話から母親に電話をし、そう尋ねるとー

「『やっと会えたね』って。それから、この子のためなら自分の命は捨てられる。そう思ったかな。」
母親のそのことばに涙し、残りの人生を力強く生きていくことを決意します。
そして、ここから本題の”読まなかった本”の話がはじまります。
”読まなかった本”の話

教室までつづく廊下には中村先生の姿が。
手にはずっと読もうと思っていて読まなかった本があります。

教室に入ると、机の上にあるものを仕舞いなさいと指示をし、生徒に向けてその本をみせます。
そして、こうつづけますー
ここに一冊の本があります
この本の持ち主はこの本を読みたいと思ったので買いました。
しかし、今度読もう、今度読もうと思いつつ、すでに一年が経ちました。
この本の持ち主はこの本を読む時間がなかったのでしょうか?
たぶん違います。
読もうとしなかった。それだけです。

「一年しかない」と言っていた生徒の顔色が変わります。

そのことに気づかいない限り、5年経っても、10年経っても
持ち主はこの本を読むことはないでしょう。

中村先生は本を教卓にそっと置き、生徒に向かって言います。
受験まであと一年です。
みなさんのなかには「あと一年しかない」と思っているひとがいるかもしれません。

でも、あと一年しかないと思って何もしないひとは5年あっても10年あってもなにもしないと思います。

だから「一年しかない」なんて言っていないでやってみましょう。
この一年、やれるだけのことをやってみましょう。
そう呼びかけ、このお話は終わります。
いつかはあてにならないという言葉がありますが、自分がこうなったらいいだとか、いつかこうするということはどうしたらそうなるのか、いつになったら実現できるのか、改めて考える必要があるなぁ、とそう感じました。
いつまでも自分がこうして生きていけると思っている。
「将来のため」とあなたがしていることは「今」という大切な時間を生きていないのかもしれない。
死のなかに生があることを意識し、もう少し「今」にフォーカスをあてて生きていくのもいいかなと思います。
みなさんはいかがでしょうか?
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