465日間割れないシャボン玉を作ることに成功
子どものころにシャボン玉で遊んだことがある人は多いと思います。
「シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ♪」と日本人にとっては聞き馴染みのある童謡もあります。
「シャボン玉」の歌詞にも、「屋根まで飛んで こわれて消えた」「産まれてすぐに こわれて消えた」とあるように、シャボン玉はすぐに壊れてしまう儚いイメージがあると思います。
しかし、そんなイメージに反する論文が発表されました。
なんと465日間も割れないシャボン玉を作る方法を発見したというのです。
| Everlasting bubbles and liquid films resisting drainage, evaporation, and nuclei-induced bursting |
シャボン玉は数秒からせいぜい数分で弾けてしまいます。この原因とされるのが水分の蒸発や重力によって液体が下部にたまっていくことで膜が徐々に薄くなってしまうことです。
物理学者のアイメリク・ルー教授が率いる仏リール大学の研究チームは、泡をより安定させる方法を検討する中で、水とプラスチックの微粒子を混ぜ強度をあげた「ガス・マーブル」と呼ばれる気泡を作りました。
しかし、このガス・マーブルでは数分間は安定していたものの、1時間ほどで破裂してしまうという結果になりました。
そこで、ガス・マーブルに粘性のある液体であるグリセリンを加えたところ、グリセリンのおかげで100日は割れないガス・マーブルを作ることができ、最も弾力のあるもので465日も持ちこたえることができたということです。
割れないシャボン玉は透明度がかなり低く、白く濁っているようですね。
出典：PHYSICAL REVIEW FLUIDS
研究チームはグリセリンが泡の寿命延長の鍵を握っていると説明。グリセリンが保湿剤として空気中の水分を吸収するため、通常、泡が破裂する原因となる水分の蒸発を補うことができ、さらに、プラスチック粒子が泡の膜から水が抜けるのを防ぎ、さらに泡の寿命を延ばしていると述べています。
アイメリク・ルー教授らは、今回の発見がより安定した発泡体や有毒ガスを閉じ込める革新的な方法への新たな応用の基礎となる可能性があると考えているようです。
もしかしたら何年後かの未来では、シャボン玉が壊れやすく儚い象徴のように語られていることはなくなるのかもしれませんね。
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