プロフェッショナルレフェリー・村上審判員が見た一流選手の「振る舞い」
Football Tribe Japa
プロフェッショナルレフェリーでJリーグ担当審判員の村上伸次さんという審判員が国内トップリーグを担当する審判員から退くことになりました。
「プロフェッショナルレフェリー」という言葉、もしかしたら聞き馴染みのない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
プロフェッショナルレフェリーとは
審判員には1級から4級まで「等級」があり(1級には「女子1級」という女子サッカー競技を担当するものも)、日本サッカー協会(JFA)が主催する試合を担当できるのは「1級審判員」のみです。
いわゆるJリーグなどのトップリーグで笛を吹くこと自体が大変なことだと想像に難くないですが、この「1級審判員」の中でも優秀なトップレベルの審判員のみがプロフェッショナルレフェリーと認められるのです。
なので、1級審判員は200名超いるのに対し、プロフェッショナルレフェリー(主審)はわずか13名しかいません(記事公開時点)。
村上伸次審判員がどれだけ素晴らしいレフェリーのお一人であるかわかっていただけたかと思います。
村上伸次審判員「人の名前を言えない選手が多い」
そんな村上伸次審判員がインタビューされている記事を読み、大変興味深い内容だったので紹介いたします。
インタビュー記事は「Number Web」で掲載されたものになります。
村上伸次さんは名古屋大学の言語学の教授と論文を共同作成した際、「人の名前を言えない選手が多い」と感じたそうです。
勝ち負けをかけた戦いの中で、どうしても心理的にも状況的にも不利になる選手、チームはあるわけです。サッカーで言うと、1点ビハインドで試合終了まで時間がなかったり、数的不利での戦いを強いられたり、うまく戦術がハマらなかったり・・・
そういう状況下では、プレー中の選手は苛立ち、レフェリーのことを「おい!」と呼んでしまうことが多いとのことです。
サッカー選手ではないですが、なんとなくわかりますよね。
村上さんはそういった選手たちの心理状況を把握できているため、「おい!」と言われても感情的にならず冷静に対応ができるようになると話しています。
(補足で。「もちろんレフェリーである以上、感情に左右されてはいけないが」と、審判員としての心得というのは前提にされています)
名前で呼びかける選手の特徴
ここからがおもしろい話で。そんな状況下でも村上さんのことを名前で呼んできたり、しっかりと会話をしようとする選手もいるということです。
どういった選手がそのような振る舞いをするのか?村上さんはこう話します。
「のちに海外へ渡った選手たちやそのチームのキャプテン、主軸を張るような選手は、冷静な言動が目立つ選手が多かった。」
いわゆる「一流」、「トップアスリート」と呼ばれるような世界レベルの選手はその振る舞いを一流なんですね。
さらに、村上さんはとくに印象に残っている選手に本田圭佑選手の名前をあげています。
本田選手は「非常に落ち着いていて」、試合中も「村上さん」と名前で話しかけてくるそうです。「これ、どうなんですか?」と冷静な口調で具体的に質問してくる本田選手に驚かされたと言います。
村上さん曰く、世界で戦うレベルの選手はうまくいかない時にこそ、感情的にならず「冷静に保てている」とのこと。だからこそ、「最後まで質の高いプレーができる」と村上さんは話しています。
不利なとき、本当の自分の姿勢が試される
一流の審判員から見た一流選手の振る舞い。自分がネガティブな状況にいるときこそ、本当の自分の強さが問われるのだと思います。そして、感情的にならず冷静に対応できることこそが勝敗を決するプレーにつながるのではないかと思います。
不利なとき、本当の自分の姿勢が試される ー
これはトップアスリートに限らず、私たちにも同じことが言えるのではないでしょうか。どうしてもイライラしてしまうとき、その心理や状況を分析して、冷静に対応する。
サッカー選手の場合、レフェリーに「おい!」と呼びかけてしまうという話をしましたが、日常生活においては、イライラしてしまうときにいかに礼節を重んじた言動を選択できるか。そして、それが冷静さを保つことにつながると意識できるか。
ひとつの心持ちでつながる未来は変わる。村上伸次審判員のインタビューからそんな教訓が導き出されるような気がします。みなさんはどう考えたでしょうか?
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