サンタクロースは実はお父さんだった!?サンタを信じた少年に父親は
2021/12/24
Photo by Sergey Galyonkin
12月になり、日常生活の至るところで”クリスマス”を感じ始めると、いつも思い出す話があります。
それは、サンタクロースを信じていた小学2年生の少年が、実はお父さんがサンタさんだったと気づいてしまったお話。
| これは以前聞いたことのあるクリスマスエピソードを基に制作したストーリーです |
小学2年生のときの12月24日、クリスマス・イブ。朝起きたとき、枕元にプレゼントが置かれていることを楽しみにワクワクしながら、一生懸命眠りにつこうとしていた。
毎年、自分が欲しい物をプレゼントしてくれる。今年もきっと欲しいとお願いしているおもちゃをくれるに違いない。どうやって遊ぼうかなー。そんなことを考えていた。
でも、その年のクリスマスはこれまでとはちょっと違っていた。
というのも、2つ上の兄がその日へんなことを言ってきたからだ。
「もしかしたら」
「ん?」
「もしかしたらね、サンタはお父さんなのかもしれない。サンタはいないのかも。オレの友だちもみんなそう言ってるんだ」
サンタがお父さん?そんなわけない。サンタはサンタ。きっと、お兄ちゃんたちが間違っているんだ。
兄の言ったことは信じられなかった。というよりも、実際にこれまでプレゼントをもらっていたし、テレビでも学校でもみんな「サンタ」の話をしている。サンタという存在を疑うのが不自然なくらいだった。
今思えばそういうことなんだろう。
それでも、その兄の言葉のせいか、ワクワクだけじゃなく、どこか心がざわついているような、そのイブの夜はソワソワして眠れなかったことを覚えている。
とは言っても、朝まで起きていたわけではなく、いつの間にかストンと眠りに落ちていた。子どものころの自慢はいつでもどこでも眠れること。その能力がうまく発動してくれたようだった。
が、ストンと眠りに落ちたのと同じくらいの感覚で、その日はいとも簡単にヒョイッと意識の世界に戻された。
ただ、結構な時間、寝ていたようだった。家の中の暗さ、外の静けさ、時計を見ずともそういったものが直感的にわからせてくれた。
そして、パッと目を開けた瞬間、すぐまぶたを閉じた。
お父さんがいたからだ。
運良く、いや、運が良かったのかどうかはわからないけど、たまたまお父さんの視線の先は自分の方に向けられていなかった。
常夜灯の薄暗い部屋、お父さんは足元を見ていた。
不自然になりそうな呼吸を落ち着かせながら、うっすらとまぶたを開けた。そのとき、今まで大切にしていたなにかが崩れた。
お父さんが枕元にそっとプレゼントを置いたのがわかった。
敷布団にプレゼントの重さが乗り、それを体で感じた。そして、お父さんのいつもの匂い。
そのときにはまぶたを閉じていた。もう開けていなくてもすべてわかった。子どもの鋭いカンというやつだったんだと思う。
お兄ちゃんの言っていたことが本当だった。ただそれだけを思った。あれだけ眠るのが難しかったのに、なぜかそのときはすぐに眠れた。脱力していたのかもしれない。
朝、いつもどおりの時間に目を覚ますと、枕元に夜中に体で感じたプレゼントが置いてあった。うれしかった。大きさ的にも自分がほしいおもちゃだとわかったからだ。
ただ、同時に一種の諦めのような感情が心に残っていた。そして、困惑もしていた。
これって、次のクリスマスはどうなるんだろう。
サンタがいないってことは、どうなるの?
でも、プレゼントはあるし・・・次もプレゼントは一応もらえるのかな?
よくサンタがいないとわかったときに「うそつき!」と怒ったというエピソードを聞くけれど、そういった裏切りによる怒りという感情は不思議となかった。
リビングにいくと、兄がプレゼントを手に喜んでいる姿があった。お父さんとお母さんはよかったじゃんなんて言って一緒になって笑っていた。
こちらに気づき「おはよう」と声をかけられ、「おはよー」と返して、いつもの席についた。
兄が「お前、なにもらったんだよ」と言ってきた。今思えば、一芝居うってくれていたんだとわかるが、その当時は小学2年生の子どもだ。バカ正直だったのか、そういったことができなかった。
その不器用さからなのか、どうしていいかわからず、怒りにも似た感情が湧き上がってきた。
「サンタはいなかったんだね・・・!」
その言葉を口にした瞬間、自分でも驚くほど涙がぼろぼろと溢れてきた。鼻がじーんとした。
お父さんの驚いた顔、お母さんのちょっぴりこわばった笑顔、「あーお前言っちゃったね」という兄の顔、その場の空気が一瞬で変わったことを鮮明に覚えている。
すると、お父さんが「なに言ってんだよ」と立ち上がり、私が座っている椅子の横にやってきた、ひざを折り曲げ、肩に手を回し、おそらく私の顔を覗き込んでいた。視線の隅でそれを感じた。
「お父さんが・・・プレゼント、置いてたじゃん・・・」
「お父さん、昨日は早くに寝たよー?一緒に早く寝ようって言ってたじゃん。ね、お母さん」
「うん!」
兄は黙っていた。お父さんもお母さんも嘘をつくはずがないと思っていたし、自分が見たのは何だったのか、夢だったのかと自分を疑いはじめた。
今思えば、お父さんもお母さんも演技がうまかったんだな。
「じゃあ・・・なんだったんだろ・・・」
大粒の涙のせいか、頭の整理もつかないし、うまく納得することができなかった。
すると、お父さんが ー
「きっとね、夜に見たのはお父さんの姿をしたサンタさんなんだよ」
え?と、お父さんの顔を見る。優しい顔をしていた。
「ほら、サンタさんの格好だったらさ、みんな驚いちゃうじゃん?だから、サンタさんがお父さんの格好をするんだよ。きっと友だちの家に行くときもそうしていると思うよ」
なるほどと思えた。サンタさんはどこまでも優しい存在で、だから世界中から愛されているんだとも思った。
その年にもらったプレゼントはこれまでのクリスマスプレゼントより特別だった。
いつか、いつの間にか、自然といろいろなことがわかり始めるようになった。子どもの無知、純粋さ故、信じていたことが違っていたなんてこともたくさんあった。
けれど、その嘘はいまだに”嘘”に変わることはなく、真実として思い出に残っている。
それはおそらくきっと、お父さんの言ったことが「本当」だと信じられているからなんだと思う。
お父さんの優しさがそうさせているのだと、そう思っている。
クリスマス・イブ、本当のサンタが見れない子どもたちへ。
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