この景色からどんなことを想像しますか?日本アニメ界の巨匠・宮崎駿の凄まじい想像力
![宮崎駿](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_0.png)
日本を代表するアニメーション映画監督 宮崎駿。2013年、「風立ちぬ」を最後に長編映画製作から引退すると発表しました。
引退発表当時、宮崎駿は72歳。引退発表後の2014年にはアカデミー名誉賞を受賞するなど、世界のアニメ界に与えてきた衝撃は計り知れないものがあります。
そして、突然ですが ー
![シーン3](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_3.png)
この曇天の下に広がる景色。この景色を見て、どんなことを想像したり、思ったり、思い浮かんだりしましたか?
とある番組の密着取材。引退発表の会見を行う会見場に到着した宮崎駿は会見がはじまる直前にこんなことを話していたようです。
![シーン1](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_1.png)
控え室の窓から外を眺める宮崎駿。
![シーン2](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_2.png)
そっとカメラの方を振り返り、手招きをします。
![シーン3](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_3.png)
そして、先ほどの景色を見て次のように語りはじめます。
![シーン4](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_4.png)
あの屋根からね、あそこの右の屋根から隣の屋根に飛び移って
![シーン5](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_5.png)
駆け抜けて、その緑色の壁があるでしょ?緑と青っぽい。
![シーン6](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_6.png)
そのところに飛びついて、あの配管をよじ登ってですね ー
![シーン7](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_7.png)
あの屋根を走って、さらに向こうのビルに行くっていうのを ー
![シーン8](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_8.png)
アニメーションでやったらおもしろいでしょ?
![シーン9](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_9.png)
それで、電線の上を歩けたら、向こう側にも行けるはずなんですよ。
![シーン10](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_10.png)
もう上から見てみると、本当全部むき出しにいろんなものが見えるんですよ。
![シーン11](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_11.png)
あのブロック塀の上を走り抜けることができるはずなんですよ。
![シーン12](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_12.png)
そうやっただけでね、つまんない街だと思っていても、どんでもない映画の舞台になるんですよ。
![シーン13](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_13.png)
こうやって見ると結構おもしろいでしょ?
![シーン14](https://bright-magazine.com/wp-content/uploads/2015/06/20150621_14.png)
おもしろいんですよ。はるか向こうにまで行けそうな気がするよね・・・行けんじゃないかな。
大人になっても持ちつづけたい「創意工夫」の心
この宮崎駿の想像力の豊かさにディズニーも嫉妬し、長い間日本だけでなく世界の人々を虜にしてきました。
「つまんない街だと思っていても、どんでもない映画の舞台になるんですよ」という言葉。
幕末に長州藩における尊王攘夷の志士として活躍した高杉晋作の辞世の句とされている「おもしろきこともなき世をおもしろく」に通ずるものがあるように思えます(辞世の句に関して諸説あり)。
毎日毎日変わらないことも、当たり前に起きていることも、いつもどおりの景色や風景も、その心次第でおもしろいものに化けていく。
大人になり、少年少女の心を忘れていきます。刺激が少なくなっていきます、刺激を刺激と思えなくなります。感動することも少なくなります。
そんななかで、大きな出来事を大きく言うことは簡単です。
たとえば、就活生にみられるエピソード。「海外旅行で○○カ国行きました!」とか、「○◯○人が所属するサークルでリーダーやっていました!」とか。
確かに重要な経験かもしれないけど、大人になってから必要なことはそういう経験や力ではないと感じるのです。
毎日受けている授業で、先生が変わる度に座る席を変えていた理由を話すとか、スーパーのレジ打ちのバイトでマダムに気に入られるように、客層を調査して、その層に人気のあるアイドルの髪型にしました、とか。
そういった当たり前の毎日のなかで創意工夫できる力が大人になったとき、社会に出たときに必要になるのでは、と思われるのです。
みなさんはどのように考えるでしょうか。
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