やけに車間を詰めるトラック、なぜ?「あおり運転」が生まれる理由
Photo by Yasunobu HIRAOKA
みなさんは「あおり運転」をされた経験、もしくはしたことがありますか?
11月4日、HARBOR BUSINESS Onlineで投稿された記事(「トラックがやけに車間を詰めてくるのは理由があった。元トラック運転手が解説」)が、とても興味深かったので紹介します。
記事のタイトルどおり、トラックが車間を詰めてくるのにはワケがあるという内容なのですが、かくいう私も、高速道路などで運転をしていて、「トラックがやけに近いな。あおり運転か・・・?」と思い、車線を譲った経験があります。こちらの記事を読み、「そういうことだったのか」と納得してしまいました。
やけに車間を詰めてくるトラック、その理由とは
前述の記事によると、トラックが極端に車間を詰めてしまう理由は「車高の高さ」と「キャブオーバー型の車体」によるものだとしています。
まず、「車高の高さ」についてですが、私たちが普段乗っている乗用車の目の高さ(アイポイント)は地上から1.2メートルほどで、記事によれば、ミニバンなどの車高の比較的高いクルマでも「約1.3~1.4メートル」ほどとのことです。それに対して、トラックは、地上から「約2メートル」と、かなり差があります。
この運転席の高さによる「錯覚」が車間を詰めてしまう要因のひとつで、トラックの場合は車高が高いので、ドライバーは車道を見下ろすかたちになり、前車との車間距離を長く感じて、その結果、車間距離を詰めて走行しがちになるようです。
そして、理由のもうひとつ。日本で乗られているトラックの多くは、「キャブオーバー型の車体」であるということです。
Photo by hans-johnson
画像のように、「キャブオーバー型の車体」はボンネットがないタイプの車体のことで、ボンネットがあるセダンなどのクルマとは異なり、前車との距離を詰めやすくなっています。これもひとつの「錯覚」で、前車との距離がある程度わかるため「車間距離が短くても安全だ」と思ってしまうようです。
ここでひとつ豆知識。日本と違い、アメリカは広大な国土ということもあり、トラックの移動距離ははるかに長くなるため、風を切って走る「ボンネット型」のトラックが主流のようです。
Photo by RL GNZLZ
トラック接近、一般のドライバーにも起きている「錯覚」
記事では、「一般ドライバーのほうにも錯覚が起きている」とのことで、前述のとおり、日本で走っているトラックの大半はボンネットがないので、ルームミラーから見ると、リアガラス一面が「トラックの壁」となり、圧迫感を与えてしまっているようです。
SUVが世界中でブームになっていますが、そういったタイプのクルマは、セダンタイプとは違いトランク部分がないため、余計に近くに感じられるとも伝えています。
Photo by Jason Thien
こういったドライバーたちの「錯覚」により、トラックが車間距離を詰めてきているように感じ、そこから派生して、「トラックドライバーって、なんか怖い」や「マナーが悪い」などの声が出てきてしまう要因になっているようです。
「あおり運転」がさらなる危険運転に
これまでは一般ドライバーが無意識に感じてしまうトラックへの恐怖感を紹介しましたが、実は、トラックのドライバーも一般のドライバーに頭を抱えているようです。
物流コンサルタント業の物流企画サポート株式会社が行った調査(「あおり運転」の被害、トラックドライバーの7割)では、なんと、トラックドライバーの7割が「あおり運転」の被害を受けていることがわかりました。
「多すぎて覚えていない」と語るドライバーもいて、日常的に「あおり運転」の被害を受けているトラックドライバーの実態もうかがえます。
トラックには法定速度のほかに、各運送会社で独自に定めている「社速」というものが存在しています。後続車のために速度を超えようともスピードリミッターが付いているためスピードを出すこともできず、そういった制限が後続のドライバーをイライラさせ「あおり運転」の引き金になっているようです。
そして問題なのが、この「あおり運転」への対処法。「あおり運転」に対して、「道を譲った」や「無視した」などの対処が今回の調査結果で多くみられましたが、なかには「頭にきたから急ブレーキを踏んでやった」、「クラクションを鳴らしっぱなしで追いかけた」など、危険な対応をしているトラックドライバーもいました。
一般ドライバーの「あおり運転」がトラックドライバーの「危険運転」につながっているのです。
2017年6月、神奈川県大井町で起きた東名高速道路の夫婦死亡事故は、「あおり運転」が発端になっています。危険な運転で、最悪の事態を招き、被害者を出さないためにも、クルマの特性や置かれている状況を理解し、思いやりとゆとりのある運転を心がけていきましょう。
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