子どもはいつからサンタクロースを信じなくなるのか

   

子どもはいつからサンタクロースを信じなくなるのか

みなさんはサンタクロースの存在をいつまで信じていましたか?

子どものころ、何の疑いもなくこの世界のどこかにいると思っていたサンタさん。

しかし、いつの間にかサンタさんは実在しないと思うようになります。

(もちろん、サンタさんの存在を信じるか信じないかは心の持ちようではありますが)

三重大学教育学部の富田昌平教授が「子どもはなぜサンタクロースを信じ、やがて信じなくなるのか?」という何とも魅力的な論文を発表されています。

サンタクロースは多くの謎を秘めている

子どもは幼児期の間にクリスマスプレゼントをもらうことで、サンタクロースは確かに存在するという信念を形作ります。

そして、プレゼントがときにビッグ・サプライズとともに届けられたり、プレゼントの中身が誰にも内緒にしていた今まさに欲しい物であったり、そうした特別な出来事の数々をサンタクロースの仕業と受け止め、それにより「超自然的な力を持つ行為者」としてのサンタクロースの概念をより明確していくそうです。

しかし、サンタクロースは多くの謎を秘めています。

  • トナカイが引くそりはなぜ空を食べるのか?
  • わずか一夜でどうやって世界中の子どもたちにプレゼントを配ることができるのか?
  • そもそもどうやってそんな大量のプレゼントを用意することができるのか?
  • なぜ自分の欲しい物がわかっているのか?

などなど、サンタクロースは謎多き存在なのです。

幼児期の終わりから児童期中頃にかけて、子どもは論理的思考力懐疑主義を身に着くようになります。

そうすると、今度はサンタクロースにまつわる数々の矛盾点に疑いの目を向け、それらを見破るようになります。

サンタに対する疑問、8歳と4歳で違いが

論文内でこんな例が挙げられています。

クリスマスのアニメ映像を4歳と8歳の子どもが観たところ、8歳の子は「一晩で世界中を回れるのはどうして?」と言ったのに対し、4歳の子は「サンタの奥さんってどんな人?」と、疑問を口にしたそうです。

論理的思考力を持つ8歳の子がサンタクロースの謎に関する質問が多かった一方で、4歳の子はサンタクロースの人となりについての初歩的な疑問を口にすることが多かったと報告されています。

なるほど、ある程度の年齢を境に、自然と物事の矛盾点に疑問を抱き、それらを見破ろうとするようになる ー

たとえば、プレゼントの隠し場所の見破りだったり、プレゼントを置く瞬間の目撃であったり。なにかを”きっかけ”にして、子どもは次第にサンタクロースの存在を信じなくなるようです。

子どもに失望と悲しみを生じさせた、なんとも言い難いエピソードたち・・・

その”きっかけ”について、富田教授が学生によるアンケートの回答を事例としてあげてくれています。

小3の12月24日の昼間、クローゼットを開けたらプレゼントが3個隠してあった。しかもトポスのビニール袋の中にラッピングして入れてあった。これで疑問を持ち始めて、小4の12月24日に、今度はこうざん屋のお兄さんが「クリスマスのプレゼントでーす!」と言いながら配達してきて、夢は崩れた。

さらに、サンタクロースを信じる子どもの心に親が寄り添わなかったエピソードも。

私がまだサンタはいると心の中で信じていた頃、母や父に「クリスマスは○○が欲しいなー」と話していました。クリスマスの日、目を覚ますと枕の横に大きな袋があって、すごく大きなプレゼントだと思い開けようとすると、中にはこんにゃくゼリーの袋が丸ごと入っていました。当時、よくきょうだいでゼリーの取り合いをしていたので、母が一人ひとりに買ったと言っていました。それを聞いて、やっぱりサンタはいないんだなとショックを受けたのを覚えています。

そして、親がその気はなくとも、うっかり伝えてしまったという偶発的なケースも。

小学2年生のクリスマス・イヴの日に、普段は夜外に出ることはない母が、「ちょっと買い物に行ってくる」と言って出掛けて行った。次の日、手袋とお菓子の詰め合わせが枕元に置いてあった。前日の母の様子を疑いながらも、やっぱりサンタさんはいるのだと思った。それから一週間くらいたって、母とデパートに買い物に行った時、とてもかわいい手袋があったので、「これ買って」と言うと、母が「この前 お母さんが買ってあげたのがあるでしょ」と言った。そこでサンタはいなかったのだということが分かった。

子どもがなぜサンタクロースを信じなくなるのか。そのきっかけは子どもの成長と”悲運”とも言うべきアクシデントがうまいこと重なったときに起こりやすいようですね。

「サンタはいない」気づいたときに大切なことは

クリスマスの悲しき思い出たち。それでも、富田教授はこの論文で以下のように述べています。

「サンタクロースは本当はいない」という真実を知った時、子どもは怒りや悲しみ、憤りなど様々な感情的反応を示すが、大切なのはその後その体験をどのように意味づけ、振り返るかである。そこにこそ子ども時代のサンタクロース体験がもたらす深い意味が潜んでいると考えられる。

サンタクロースという架空の存在に対して、自分やまわりの大人はどのように向き合ってきたのか。そして、どのように向き合わせてくれたのかを振り返って考えることに深い意味があるようです。

今、お子さんのいる保護者の方々はどう子どもたちに寄り添えるのかを考えるいい機会かもしれません。

子ども時代のサンタクロース体験をこの機会に振り返ってみるのはいかがでしょうか?

「子どもはなぜサンタクロースを信じ、やがて信じなくなるのか?」富田昌平

 -学び

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